清掃の仕事に興味がある人向けに、10年現場に出てきた立場から、仕事の流れと向き不向きをまとめます。
先に結論を書くと、清掃の現場は「決められた範囲を、決められた時間内に終える」ことが前提の仕事です。そのため、余計なことをせず、わからないことはすぐ聞ける人が向いています。逆に、几帳面すぎる人は苦労するかもしれません。私自身、昔は丁寧にやっていて急かされていました。
以下、その前提がどこから来ているのかを、仕事の流れ・料金・時間帯の順に書いていきます。
仕事が現場に届くまでの流れ(私の場合)
業界全体がどうなっているかまではわかりませんが、私が関わっている現場では、仕事は次の4段階で流れてきます。
| 段階 | 役割 |
|---|---|
| 元請け | 施設から仕事を受け、どの会社に作業を頼むかを決める |
| 下請け | 現場に入る人を手配する |
| 兄 | 下請けから仕事を受け、私に声をかける |
| 私 | 実際に現場で作業する |
現場には、たとえば施設の床定期清掃なら3人で入ります。ポリッシャー(床を洗う円盤型の機械)で洗う人、汚れた水を集めて吸い取る人、ワックスを塗る人、という分担です。
私の仕事の入り口がこの10年ずっと兄経由であることや、それが抱えるリスクについては、別の記事にまとめています。
→ 仕事は100%兄経由。10年続けて気づいた「単一障害点」で働くリスク
料金は「1現場いくら」で決まる
料金は、最初に「1現場いくら」という形で提示されます。時給や日給ではなく、現場単位です。
そこから変わるのは、主に次の2つのケースです。
- 作業内容が大変なとき:剥離(古いワックスを薬剤で剥がす作業)が入るなど、通常より手間のかかる工程がある場合
- 作業時間が延びたとき:日中の現場は通常17時までに終わる前提で、それを過ぎる場合は追加で料金が発生する
つまり、時間内に決まった作業を終えることが料金の前提になっています。
時間帯も作業内容も現場で違う
同じ清掃業でも、現場によって働く時間帯は大きく変わります。私が担当している2種類の現場を比べるとこうなります。
| 施設の床定期清掃 | テナントのフィルター清掃 | |
|---|---|---|
| 開始 | 8時半 | 20時 |
| 休憩 | 10時前後(15〜30分)、12時〜13時 | 22時頃に1時間 |
| 終了 | 15時〜15時半頃 | 深夜1時過ぎ |
床定期清掃は、17時の区切りに対して、普段は15時〜15時半頃には撤収しています。1日の細かい流れはこちらの記事に書きました。
→ 施設の床定期清掃の1日|8時半〜15時過ぎの流れと、頼む側に知ってほしいこと
業界に入って意外だったのが、この休憩と終わりの時間でした。前職(リフォーム会社)では、お昼休憩まで休まずチラシを配っていたので、10時前後に休憩があることに驚きました。15時台に仕事が終わる日があるのも、前職の感覚からすると意外でした。
フィルター清掃は月1回、お店が閉まった後に、厨房のフィルターと店舗内の空調フィルターを洗います。水場が遠い商業施設では、道具を持ち運んでその場で水洗いし、元に戻します。フィルターを外すときは周りを養生(汚れないようにシートなどで覆うこと)しますが、それでも養生の外に埃が落ちることがあるので、ハンディ掃除機で吸い取ります。
向いている人・向かない人
現場では、早さを求められる場面があります。一人が細かいところに時間をかけすぎると、全体の作業が遅れて、周りに迷惑がかかることがあります。3人で分担している現場では、前の工程が終わらないと次の工程に進めないので、一人の遅れがそのまま次の人の待ち時間になります。昔の私が急かされていたのも、丁寧さと早さのバランスが取れていなかったからだと思います。
そのため、向いているのは次のような人だと思います。
- 余計なことをしない
- わからないことがあったら、自己判断せずにすぐ聞ける
たとえばポリッシャーをかけるとき、実際の清掃範囲を確認せずに始めると、頼まれていない部分まで洗ってしまい、そのぶん時間を使ってしまいます。私も、始める前に範囲を確認しておいてよかったと思ったことがあります。「余計なことをしない」と「すぐ聞く」は、現場ではこういう形でつながっています。
几帳面さそのものが悪いわけではありません。ただ、「自分の基準で完璧にする」より「決められた範囲を決められた時間で終える」ことが優先される仕事だ、というのが10年やってきた実感です。
まとめ
- 私の場合、仕事は「元請け→下請け→兄→私」の4段階で届く。元請けは頼む先を決め、下請けは人を手配する
- 料金は1現場単位。剥離などの大変な作業や、日中の現場で17時を過ぎる延長で上がる
- 時間帯は現場次第。日中の床定期清掃と、夜間のフィルター清掃ではまったく違う
- 向いているのは、余計なことをせず、わからなければすぐ聞ける人。几帳面すぎると全体を遅らせることがある
清掃の仕事を考えている人が、現場の仕組みと自分との相性をイメージする手がかりになればと思います。

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